家族麻雀
2008年 01月 03日
去年式を挙げた長男はもちろん二人で。就職の内定が決まったばかりの弟は、当然一人で。
二日は、例年妻の実家に顔を出す。孫も成長して昔のようには、はしゃがない。
一通り近況を話すと話が途切れた。
なんとなく気詰まりな雰囲気を察知したのか、誰かが麻雀の話をはじめた。
妻は一人娘である。家族で卓を囲んでも三人しかいない。
妻と結婚したとき、これで四人で卓を囲めると一家は楽しみにしていたらしい。ところが、である。
小生、麻雀はおろか、パチンコ、競馬その他、一般に成人男性が嗜む勝負事をたしなまない。
親の遺言ということにしているが、実はあまり興味がない。当然ゲームにも手を出さない。
妻は、大のトランプ好き。亭主が相手をしないので、最近はもっぱらコンピュータゲームにはまっている。
ところで、子ども二人と嫁は今の子でゲーム好きらしい。当然麻雀もできる。
どこかから牌を見つけてきてさっそく妻を入れて四人は麻雀をはじめた。
男の子二人は、昔は仲よく遊んでいたものだが、大きくなってからは
たがいに煙ったいらしく喧嘩もしないが素っ気ない態度をとっていた。
それが、どうだろう。同じ卓につくと、二人はもちろん長男の連れ合いも妻もにこにこである。
なるほど、これが社交というものか、とあらためて思ったことであった。
学生時代、隣で麻雀をやられるとうるさくてたまらないからという理由でアパートを避けた。
生活時間帯のちがう二部生と二人だけの下宿で、孤独を愉しんだのはいいが、
その分人とつきあうのが億劫になっていたことは否めない。
四人の楽しそうな様子に、傍で見ていた岳父が、途中で
「おい、俺も入れてくれ」と言いだしたのだが、
「じいちゃん、僕の横で見てたやろう。」
と、二男に言われてなくなく引っ込んだのがおかしかった。
二人の子が友達と約束があるというので、そこで麻雀は終わったのだが、父には悪いことをした。
こちらで就職が決まった二男の方は、これからもちょくちょく顔を出すだろう。
祖母もいれたら四人で卓も囲める。
不肖の息子としては孫をダシに親孝行ができるというものである。