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熊野の郷

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職場の同僚が面白かったというので、最近隣町にできたばかりの日帰り温泉施設を訪ねた。「熊野の郷」という名前だが、ネットで検索をかけてみると、兵庫県にも同じ名前の温泉施設がある。三重県なら熊野というのも分かるが、兵庫にも熊野はあるのだろうか。

液晶テレビで有名なS社の大工場からちょっと行ったところに看板が出ていた。道路から少し入ったところにあるため、見つけにくいが、駐車場に車を停めると、時代劇のセットに出てくるような門が見えた。玄関ロビーも広く、客を整理するためのカウンターが複数配置されている。

土日と祝日は百円高くて入湯料は950円だった。年会費500円を払うと、百円安くなるというが、単純に料金だけでいえばかなり高い相場だ。そのせいか、祝日だというのに、人の入りはまばらだった。できた当初は混雑していたのだろう。カウンターに並ぶ列を区切る仕切りが所在なげに立っていた。

まずは腹ごしらえ。施設内にある熊野川というレストランで昼食をいただく。メニューは結構豊富で、お酒を飲ませるカウンターまで設置されている。どうも、ただの日帰り温泉ではないらしい。花かご膳というのを注文した。刺身と焼き魚、茶碗蒸しに酒肴めいた一口サイズの小鉢ものが数種。デザート、ご飯と赤だしがついて1500円。妻の松花堂は、茶碗蒸しと刺身が一種少なくて1200円。味は悪くない。特に焼いた鰊が美味かった。

さて、肝心の温泉だが、バリ風と和風の浴場が一週間交替で男湯と女湯に分かれるという。今週は男湯がバリ風だとか。料金後払いのシステムで、受付でロッカー番号入りのリストバンドを手渡される。番号部分をロッカーのキーにかざすと開錠、施錠ができる仕組みである。飲み物等もこれで買えるから、お金を持ち歩く必要がないわけだ。コイン式ロッカーは、後で返って来るにしても百円玉が何個かいるのでわずらわしい。よく取り忘れもあるから、合理的だと思う。

バリ風の温泉というのは、どんなものかと期待したが、屋内の風呂はごく普通。源泉かけ流しの浴槽は、あまり温泉らしい匂いや手触りはないが、しばらくすると肌がぴりつく感じが残ったから何ほどかは温泉成分があるのだろう。成分表示を探したが見つけられなかった。温泉を名乗る以上、義務づけられていると思うのだが。

露天風呂は石を刳りぬいた独り用のものや、ジャグジー風の円形浴槽、寝湯といろいろ揃っていた。面白いのはサウナで、塩が山と積まれ、これで体をこするのだとか。温度は65度と低めだが、しばらくすると汗は出るものだ。汗の出たところで塩をすり込む。なんだか、「注文の多い料理店」にでも来たような変な気分だ。シャワーで塩を流して、露天に戻った。温度が高くないので、長く入っていられるのが気に入った。高音のサウナは十分も入っているとのぼせてしまう。

源泉かけ流しでのんびりしていると、知り合いに出会った。旧交を温めていたため、いつもより長く入っていた。妻が待っているだろうとあわてて出ると、妻は休憩室で眠っていた。ちゃんと籐の枕まで用意されているのは親切だ。

施設設備に金がかかっていて、アカスリやら岩盤浴も別料金でできる。ちょっとしたリゾート気分の味わえる日帰り温泉という付加価値がついての価格設定である。人によって高いと思うかお値打ちと思うかいろいろだろう。あまり混まないところは気に入ったが、泉質の分からないところが気になる。家から近いので、時間のない時に行くには便利だと思った。
by abraxasm | 2007-11-04 10:25 | 日帰り温泉

覚え書き


by abraxasm